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マンションの法律問題は「マンションの問題」で解決

管理費請求の具体的手続5detail

民事訴訟(2)

8 裁判期日における審理について

 法定は、傍聴席から向かって見て、裁判官の席を中央にして、左側が原告の席で右側が被告の席となっています。簡裁においては、このように原告被告が相対するような形でなくラウンドテーブルを使用することもあります。
 被告は、基本的に、滞納の事実自体は争いようがないことですから、審理においてこれが問題になることはありません。そもそも、管理費等の額については、総会等で決められたもので、これは区分所有者(組合員)が自主的に決めるべきものですから、この額に不満があったとしてもこれを法的な問題として裁判所において争うことは不適切なことなのです。また、管理費は共有部分の管理という組合員共通の利益のために徴収されるものですし、修繕積立金は経年劣化に伴う大規模改修に備えて積み立てるものですから、租税債権に近い保護が与えられています。ですから、区分所有法により一般債権者より優遇される先取特権も認められているのです。したがいまして、管理費等の月額や滞納の事実については争点にはなりえないのです。
 しかしながら、滞納管理費等の遅延損害金に関する利率が問題になることがあります。この判断は、裁判官によってまちまちですが、国税通則法第60条が定める延滞税率や消費者契約法第9条の趣旨を勘案して14.6%が妥当であるとか、5%程度が妥当との判断がされることがあります。しかし、管理規約とはそもそも、区分者という対等な関係者同士の合意によって定めたものですから、力関係が非対称な当事者の関係を規制する諸費者契約法の趣旨を考慮すべきものとはいえないでしょう。
 また、訴訟代理人として弁護士や司法書士に訴訟を委任した場合、多くの管理規約において定めのある弁護士費用等の請求が敗訴者負担の問題と関連して議論となったりします。交通事故の事例を引き合いに、請求額の1割程度が妥当との判断が示されたりします。
 なお、簡易裁判所においては、司法委員を交えた原被告間の話し合いで和解をまとめる方向で進みます。

9 訴訟手続に付随して

●住所調査

被告が、訴状記載の住所と異なる住所地で訴状を受け取った場合には、訴訟上の送達先を確定させる必要があります。まずは、被告の住民票を取寄せます。そして、仮に、住民票上の住所が訴状記載の住所と異なっていた場合には、訴状の訂正申立を行います。

●付郵便送達・公示送達に関する住居調査

被告へ送達できなかった場合、裁判所の書記官より、住居調査をするよう連絡がきます。こうした場合、滞納者の住民票等を取寄せてそのの最後の住所地を確認します。そして、その住所地へ赴き、被告に居住の実態が有るか否か確認します。

・確認事項

@郵便受け(被告の氏名等が記載されているか。郵便物等が有るか。)

A玄関(被告の氏名等が表札として表示されているか。傘などが置いてあるか。)

B電気・ガス・水道のメーター(メーターが動いているか否か。契約申込書がぶら下がっていないか。)

Cベランダ(洗濯物等が干してあるか。)

D窓の状況(カーテンが取り付けられているか。)

E管理人や隣人等に確認(口頭で、被告を見かけたことがあるか否か確認する。証言等を得られなければその旨を報告書に記載する。)

※@〜Dについては写真も撮る。

 以上の確認をした上で、被告が居住していると認められたら付郵便送達の申立、居住していないか若しくは別人が住んでいるようなら、公示送達の申立を行う。

・送付書面

@公示送達(付郵便)申立書

A調査報告書

B現地写真


10 請求の減縮

 被告から管理費等の一部入金があった場合は、訴額を減縮するために訴状変更の申立を行います。


11 訴えの取下げ

滞納者が死亡していて、その相続人等に訴えを提起した場合において、被告が相続放棄等を行っていたりして、被告として不適格であった場合や、被告が訴額をすべて入金した場合には訴えを全部取下げます。


12 判決が出された後

●送達証明

 判決が、被告に対して送達されたことを証明してもらうために行います。

●判決確定証明

●訴訟費用額確定処分の申立

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