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履行
債務者又は第三者が債務の内容である給付を実行すること。弁済と同義で使用されるが、履行が債務者の給付行為に焦点を当てているのに対し、弁済は債権の消滅という結果に重点を置いているというニュアンスの違いがある。
履行期
債務者が履行(弁済)をしなければならない時期。弁済期ともいう。通常は契約で定められるが、給付の性質その他の事情や法律の規定(民法573、591、597、614、624、662条等)によって定まる場合もある。履行期は債務者の利益のために定められるのが原則(民法136条)であるから、債務者はこの利益を放棄して履行期前に履行することができ、債権者は受領を拒むことができない。履行期に債務者が履行をしないときは、履行遅滞となる。
履行遅滞
・意義
履行が可能であるのにもかかわらず、履行しなければならない時期(履行期)になっても債務者が履行しないこと。債務者遅滞ともいう。例えば、1ヶ月後に代金を支払うという約束で商品を売ったのに、飼い主(債務者)が、1ヶ月たっても代金を支払わなかったというような場合。
・要件
イ 債務が履行期にあること。
ロ 履行が可能であること。
確定期限がある場合にはその時から。
不確定期限がある場合は債務者が期限の到来を知った時から。
期限を定めなかった場合、債権者が催告した時から。
ハ 履行しなことが債務者の責に帰すべき事由によること。
・効果
履行遅滞の効果は、債権者が強制履行を請求できる(民法414条)ほか、遅延賠償を請求できることである。債務が契約してから生じた場合には、債権者は契約を解除して、填補賠償を請求することができる(民法541条)。